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 平成18年9月議会 一般質問で北村保子が市長の政治姿勢について質問いたしました。(その@)

市長の政治姿勢について

 昨日(2期目の出馬表明をされました)白井市長に対しまして、その政治姿勢につきまして何点かお聞きして参ります。
 3期目に挑まれた前 田中長野県知事が8月6日の知事選挙で、敗れたことは記憶に新しいところです。田中前知事は「脱ダム宣言」「ガラス張り知事室」などの施策を導入し、派手なパフォーマンスが目立ちました。公共事業の見直しを推進した点では一定の功績があったと評価されていますが、現実には長野県は、実質公債費比率が20%に達し、地方債の発行が自由にできないほど財政が悪化していると伺っております。一方で個人プレーが目立ち、職員や県議会さらには県内市町村も含め、ぎくしゃくして、施策も実現しにくかったと評され、行政の責任者としての役割は十分に果たせなかったと思います。改革はいつの時代も必要ですが、「話題」づくりだけでは、中味がないものといわざるを得ません。長野県民がやっとそのことに気がついた結果であると言えます。白井市長は以前から田中氏の取り組みを高く評価されて、自らもガラス張りの市長室の公約を打ち出されて当選されました。しかし、新たに県知事に就任された村井知事は選挙翌日の記者会見で、さっそく県庁1階のガラス張りの知事室の廃止を表明され、すでに八月三十一日に撤去されたときいております。

結果として税金の無駄遣いと言われても仕方ありません。市長!あなたはガラス張り市長室に固執されていますが、議会に認められず実現できていないのは結果として正解ではなかったのでしょうか。
また、これは長野県だけの問題だと位置付けられるのでしょうか。この結果を白井市長は当然残念に思われていると思いますが、<質問@>白井市長の訴えられたガラス張りの市長室は、長野県とは違い、実現すれば白井市長が退任されたとしても、引き続がれていくものと考えておられるのでしょうか。あくまで白井市長だけの施策のひとつだとするならば、そのために作られるのは間違いではないかと思いますが、就任の頃と違い、白井市長が信頼していた田中氏の結果を見て、現時点で考えれば無駄なものになるとおもわれませんか。まず、お伺いしたいと思います。

<答弁@>『ガラス張りの市長室』は市政運営の透明性を確保し、市民の市政に対する信頼を高める方策のひとつとして有効であるとの考えからご提案申し上げたものでございますが、その思いからすれば、引き続きお使いいただきたいと考えておりました。

また、8月7日の朝日新聞の社説の概要を申し上げますと、「人気とりの過剰なパフォーマンス政治で今日の地方の課題に対処することは出来ない。田中氏の敗北は有権者が求めているのは、課題に対する行政能力と実行力であることを示している。村井氏への期待もそこにあるのだろう。」と論説しています。私もそのとおりだと思います。

また、ある新聞には田中さんは女性や若者受けする政策を推し進めようとしたばかりに県民に不利益をもたらしてきた。また議会の意見に耳をかさなかったが、首長と議会の両輪が機能しなければ県政は成り立たない。県民が人気と現実が違うということに気付くには6年という時間が必要だった。最初は新鮮でも後半は「いいかげんにしろ」という気持ちを起こしていたのではないか、と書かれていました。

そしてまた、7月2日には滋賀県知事選挙があり、「もったいない」をキャチフレーズに新幹線の新駅建設を「税金の無駄遣い」と批判して、嘉田知事が当選されました。しかし7月の県議会では、新駅の県負担工事代金の7月請求分を支払う事を表明され、他の政策でも一気にトーンダウンした感がします。そもそも当選前にはわからないことが多いのも事実です。

私が申し上げたいのは、先ほどの「脱ダム宣言」でも聞こえのいいことを挙げて当選したものの、実際に責任者になった途端、できないというのは、無責任きわまりないことです。見直しは必要ですが、本当に必要なものは何なのか、長野県にとってダムはその地形から本当に必要なものでなかったのか、住民の不安を払拭する代替案が示されなければ、当事者である住民の不安は解消されない。それを6年経っても示せなかった田中氏を県民が見抜いたものであると思います。嘉田知事についてもこれからどう対応されるかはわかりませんが、方向転換されれば県民は敏感に反応すると思います。

 <質問A>長たる者はきちんと責任をもって説明し、信念に基づいて行動し、施策を進めていくべきであり、その公約は非常に重いものであると思いますが、このような方向転換とも見える姿勢について白井市長はどのように思われますか、市政を預かる長として、お考えをお聞かせ下さい。また、出馬表明をされたばかりでこれから整理するとお答えになられるかもしれませんが、<質問B>1期目で積み残された公約の中で、長として事情を把握した上で就任後変更されようとしているものが、必ずあると思いますが、4年の任期の中で修正すべき公約はどのようなものと考えておられますか、合わせてお答え願います。

<答弁A>他の首長の政治姿勢につきましては、直接コメントするべき立場にはございませんが、私自身としては、公約については、有権者の皆様がこれを判断材料として投票されることから、非常に重要なものであり、その実現に向けて精一杯努力すべきものと考えておりまして、これまでその考え方で市政運営を進めてきたところでございます。

<答弁B>私が先の市長選挙の際にお示しいたしました公約の中で、実現できなかったものとして、市長の退職金減額につきましては残念ながら、私の本意とする結果になりませんでした。
 また、その他実現できなかった公約につきましては、課題の検討など継続して取組みが必要な状況にあり、こうした結果につきましては、市民の判断を待たなければなりませんが、私なりに総括し、引き続き努力すべきものと考えております。

 2つの事例を挙げましたが、これらの事例に共通するのは、議会との信頼関係や対話という点で十分な関係が築かれていないのではないかということになると思います。長野県も滋賀県も尼崎市も比べてみれば非常に似通っていると思いませんか?そして予算や施策の否決をみましても議会との意思疎通ができていない。この原因はどこにあるのでしょうか。何度も各議員からその関係を指摘されていながら、<質問C>任期満了の今になっても十分な関係が築かれていないのではないかと思うのですが、市長の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。

<答弁C>さきの6月議会におきましても、現在の厳しい自治体環境下において、長と議員の皆様が対話を行うことは、より大切であると申し上げました。
 こうした認識のもと、私自身も、この七月以降、議員の皆様と自由な意見交換の場を設けて取り組んで参りました。 
今後とも、私なりに議員の皆様との意見交換に努めて参りたいと考えております。

 政治家として信念は勿論必要なもので、それを貫く事は最も大事な事です。但し、議会から再三指摘されている市長が目指されるビジョンについて具体性がないとか、中味が無いという指摘に対して今もって何ら説明もされておりません。本当に2期目に挑戦されるのか疑問を感じずにはおれません。

就任以来、実現困難な公約にこだわり、市職員・各種団体そして市民に対し市政運営における自らの明確なビジョンを何ら指し示すことができずに四年間を無為に過ごして来た責任について、きびしく指摘する北村保子さんの問いに、一般的な返答とあいもかわらぬ公約へのこだわりをみせる答弁に終始する市長の政治姿勢を見るにつけ、彼女の限界を垣間見た気がし、大変がっかり致しました。(議会を傍聴された後援会会員談)

平成18年9月

『Yaccoのおもい』4>
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